エイヒレのお勉強memo

主に数学と機械学習, その他の雑多な話のメモ

舌小帯短縮症を治療した話👅

今日はかなりプライベートな内容で, 舌小帯短縮症 (ぜつしょうたいたんしゅくしょう) を治療した話を書きます. あまり公開すべき内容ではない気がしますが, 貴重な経験なので書き留めておこうと思います. お子さんがいる方は参考になるかもしれません.

背景

子どものころから人より舌が短いような感じがしていました. 巻き舌ができなかったり, ソフトクリーム等を舐めるときに舌を出すことができませんでした. 舌を出そうとすると, 舌の裏の筋のようなものが下の前歯に引っ掛かり, 痛みを生じていたためです.

しばらくはただ人より舌が短いだけかな, なんてなんとなく思って過ごしていましたが, 数年前, なにをきっかけか覚えていませんがサーベイしていると, 自分の症状が舌小帯短縮症の症状と一致すること, およびそれはある程度リーズナブルに治療可能であることを知りました. それからずっとタイミングがあれば治療したいと思っていましたが, 最近は色々と自己研鑽する心の余裕ができてきたので, 思い切ってやってしまおうと思いました.

決して珍しい症状ではなく, 調べると手術を実施した有名な芸能人の名前が出てきます. また個人として治療して良かったなと感じているので, お子さんがいてもし症状が合致しそうであれば, 早めの処置を検討していただけると良いのかなと思います.

舌小帯短縮症とは

私はぜんぜん医学の知識がありませんので, 調べた範囲で書きます. 詳しくはお医者さんに聞いてください. また写真を見せた方が分かりやすいですが, 口の中の写真ばっかりになってアレなので載せません.

まず人の口の中に小帯という筋があり, 簡単に検索すると見つかるのは, 次の3つの小帯です.

  1. 上唇小帯
  2. 頬小帯
  3. 舌小帯

1の上唇小帯は上唇と上の歯茎の間にある筋です. 癒着が広範囲だと大人になるにつれて上の前歯の間に隙間ができてしまうため, 子どものころに切除することが多いようです. ただ子どものころ走り回って転んだときに意図せず切ってしまうパターンが多いらしく, かくいう私もそのパターンだったと親から聞いています.

2の頬小帯は頬の裏側と下の歯茎の間にある筋で, 両側にあります. 私はこちらを意識したことはありませんが, 筋が大きいと, 歯並びや歯周病の原因になるらしいです.

そして3の舌小帯は舌の裏と下顎の間にある筋です. 癒着が広範囲だと舌が下顎に密着した状態になり, 人よりも舌の可動範囲が狭く不自由で, この状態を舌小帯短縮症と呼ぶようです. すなわち舌が短いのではなく, 舌を動かすのが比較的不自由ということです. 人によって癒着の範囲が異なるため舌の不自由さが異なり, 私の場合は中程度であったとの認識です.

かつて (昭和とか?) は舌小帯短縮症を赤ちゃんのころに処置していたそうです. というのも舌が不自由だと母乳の接種に支障をきたし, 赤ちゃんが大きく育たなくなるという通説があったからのようです. しかし現在その通説は否定されており, わざわざ処置をするということが減り, 結果として処置してくれる病院も減ったようです. ただ現在でも発音や歯並びのため小学生頃に処置するケースが多いようです.

舌小帯短縮症かどうかの判定方法は幾つかあります. まずは舌を出したときに舌先がハート型に割れることです. これは舌の裏の筋が前歯に引っ掛かり, 舌の中心部分が引っ張られることによりハート型になります. 他に口を大きく開けて舌を上げたとき, どこまで上がるかという判定方法もあります. 上顎またはその付近まで舌が到達すると軽度, 口の真ん中くらいまで行けると中度, そして下顎から全く上がらないと重度となります. 私は真ん中くらいまで上がっていたので中度かなくらいの認識です.

私の症状

  • 滑舌があまりよくない
    • 日本語を話す上で, 気を遣ってかは知りませんが, ほとんど人から指摘されたことはありませんでした. 一度だけハッキリ言う系の友人から, ラ行の発音がちょっと変と言われたくらいでした. そのときは舌小帯短縮症ということを知らなかったので, 舌が短いんだよくらいの言い訳で流れました. 一方で話にくさがあるのは自覚していました.
    • 英語の発音に関しては不自由なく, 職場のインド人女性にclearだねって言っていただくくらいでした. ただそれはおそらく意識的に発音を練習したからだと思います. 日本語は無意識的に発音が身についてしまい, また誰から指摘されることもなかったので, 発音を矯正するモチベーションがなかったと思われます.
  • 舌を出すことができない
    • 前述の通り, 舌を出そうとすると筋が痛いので出すことができませんでした. ソフトクリーム等を舐めるような作業も苦手でした.
  • 巻き舌ができない
    • 普段の生活では特に支障はないと思いますが, 巻き舌必須の言語 (スペイン語やイタリア語) を話せないので, 人生の楽しみが減るかもしれません.

治療

私のケースは以下の3段階でした.

  1. 手術
  2. 抜糸
  3. 訓練

1の手術は10-15分程度で終わります (人生初手術でした). 手順はまず笑気麻酔 (しょうきますい) で全身麻酔をかけてから, 舌と下顎に注射でさらに麻酔をかけます. 次に舌に糸を通して舌を引っ張って釣り上げて裏の筋を露出し, 筋を切除します. 最後に癒着で筋が復活するのを防ぐために, 糸で縫合して終了です.

文章でみるとグロくてしんどそうですが, 麻酔がかかっており目隠しもされているのでそこまで痛くなく, なにかしているなぁくらいの感覚で終了しました. そしてなにより, 術後に明らかに舌の稼働領域が広がり, いままで舐めたことなかった上顎を舐める感覚や舌の裏に歯が当たる感覚などがとても新鮮で, 非常に感激しました. 術後3日くらいは抗生物質等の薬を飲み, また手術当日は運動や飲酒等, 血が回ることを控えるように言われました.

術後は2日間くらい痛みがありましたが処方された痛み止めを飲むほどではありませんでした. また舌の動き方が変わったため今までの発音が上手くできず, 慣れたり話し方を変える必要があったため, 数日間はあまり人と話す予定がない方が良いと思います.

2は手術後一週間程度経過して傷口が塞がってから行います. 私の場合は手術で3箇所縫合し, 抜糸前に自宅でうがいをしていたら2箇所ほど取れてしまったものの, お医者さんに取れやすい位置なので特に問題はないと言われました. なので残りの1箇所をハサミでちょきんとやって消毒し, 3分で終了しました.

3について, 筋を切っただけでは滑舌や舌の可動範囲はそこまで改善されません. それは今まで舌の筋肉を使っていなかったため筋力が不足していること, 身についた滑舌を矯正する必要があるためです. なので訓練が必要で, 病院によってはリハビリ科のようなところを勧められるようです. ネット情報では一か月も適切に訓練すれば, ほとんど改善していくようです. 私の場合は病院から特に勧められることなく, 気分が乗ったら訓練しようかなといった感じです.

費用

手術の費用はおよそ1万円でした (初診料と処置費用が半分くらい, 笑気麻酔が半分くらい). 抜糸は一箇所しかなかったからか, 200円もかかりませんでした.

治療後の経過

術後数週間経ちましたが特に問題なく過ごしています. 滑舌が急激に改善したということはありませんが, 段々と舌の可動範囲が広くなっているように感じます. 最近忙しくてできていませんが, 英会話とか再開して発音を練習したいです.

この記事は以上です. 非常にプライベートな内容でしたが, 誰かの参考になると嬉しいです.

さいごに

今のうちに出来ることは全部やってしまおう精神で最近この手の自己研鑽を色々とやっていますが, やってみると世界が劇的に変わりますね. みなさんもお時間に余裕のあるうちに, 気になることはやってみるのがいいんじゃないでしょうか.